股関節の痛みを訴えた60代女性
今回来院されたのは、2ヶ月ほど前から急に股関節に痛みが出てきたという60代後半の女性の患者さんです。
実は今回の痛みは初めてではなく、4年ほど前にも右の股関節に激痛があり、その際に整形外科で受診して、痛み止めなどしているうちに、しばらくしたら痛みがなくなったとのことでした。
整形外科では、今のところは股関節にそれほど問題がないという結果で、しばらく様子をみてくださいとのことでした。
その後、股関節にたまに違和感はあるものの、強い痛みは出ることなく過ごされていましたが、2ヶ月前に再び激痛が起こり、
再度整形外科でみてもらったところ、臼盖形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)ということで、股関節に問題があると診断されました。
とりあえず股関節は動かせるのですが、痛みが引かないので、心配になり当院を受診されました。
検査をしたところ、幸いにも股関節の可動域はそれほど酷くはなく、足から股関節の調整や、骨盤の調整、全身調整を行うことで、1回の施術で約8割ほど痛みは取れたということでした。
動かしてもそれほど痛みもないようなので、股関節回りの筋肉をつけていただくためにスクワットを痛みのない範囲でしていただくことになりました。ご本人も1回でかなり痛みが取れたので、大変喜んでいただくことが出来ました。
ここで問題なのが、4年前に整形外科で受診された後の行動です。
実は股関節の問題は、整形外科では、とりあえず痛みに対しての痛み止めをしながら、様子を見るしか選択肢はありません。リハビリを行っても痛みが取れる方とそうでない方がいます。
そして徐々に悪化して、どうしようもなくなったときに、股関節の手術という選択肢が出てくるわけですが、それまでの間は特に何かをするわけでもないんです。ひどくなるまでに人によっては、5年から10年くらいかかります。
ですから知らない間に、徐々に悪化する可能性が非常に高いため、股関節に違和感を感じ始めた場合は、出来るだけ早い対応が必要になります。
股関節の場合、痛みが出るまでに、まず第一段階として、股関節の違和感から始まります。なんとなく歩いていると違和感がある程度で、休めば特に違和感がなくなるので、それほど気にならない人が多いです。
そこから、徐々に進行していき、痛みが出はじめます。歩き過ぎたときに痛みが出たりしますが、これもまた休めば治るような感じです。
そして更に進行すると、常に痛みを感じるようになり、同時に股関節の可動性が悪化してきます。靴下を履く姿勢で足が上がりにくいとか、足が上がりにくくなるため、つまづきやすくなったりします。
左右の脚の動きの可動性もだんだんなくなっていき、その頃にはちょっとした動きでズキンとした強い痛みが出てしまうことが多くなります。
こうなったときに整形外科などに行くと、変形性股関節症と診断され、ひどければ手術を勧められることになりますが、手術すれば痛みが確実に改善される保証はないため、非常に難しい判断をくださなければなりません。
整体などで見るにしても、やはりこの段階までいくと、完全に改善させることが難しくなります。
今回の患者さんの場合は、比較的初期段階でしたので、1回でも効果が出ました。このように股関節は非常に問題が起こるとやっかいなところなので、違和感の段階で当院のような整体でみてもらうことをオススメいたします。